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ときどきコラム

27
   

2003年8月9日10日合併号



天竜川河口付近にて
←風力発電用風車と牧草地

 
 磐田郡竜洋町





1.ノーマライゼーションを日本語に訳すか・・

8月5日、国立国語研究所が“外来語の言い換え”中間案52語を発表。
その中から、「福祉住環境コーディネーター」テキストに出てくるような数例をご紹介します。
“定着度調査”で理解率の高かった順から。

外来語 言い換え案 理解率
コミュニティー 地域社会、共同体 57.7%
モニタリング 継続監視 28.9%
ノーマライゼーション 等生化、福祉環境作り 12.2%
エンパワーメント 能力開化、能力強化 5.7%

西村の感想
  現代では、「外来語」という概念そのものが時代にそぐわないと思いますねえ。

「ノーマライゼーション」にわざわざ造語「等生化」を作らなくても良いのではないか。
これからテキストなどで「ノーマライゼーション」を使わず「等生化」となるとしたら、ぞっとします。
「福祉環境作り」というのもどうも・・・作るものではなくて、生き方・思想ではないか。
「福祉住環境作り」よりはましですが。

問題とすべきは、言葉の定着度ではなく、考え方が定着しないこと、でしょう。

「ケアマネジャー」を「介護支援専門員」と言い換えるのは、当時厚生大臣だった小泉現首相の肝いりでした。
「介護支援専門員」という言葉は、公文書で公務員が偉そうに使うくらいのもの。余計わかりにくい。
「ホームヘルパー」を「訪問介護員」と日常呼ぶ人がいますか?

カタカナ語をわざと使うのはいやらしいですが、「訳しようがない。提唱されたその概念を尊重しよう」
という考えがあっても良いと思うのです。いかがなものでしょうか。


2.続ノーマライゼーションを日本語に訳すか・・
 9日号で思いがけずカンボジアから反響をいただいたので、調子に乗ってその続き。
同研究所からは、本年4月25日で第1回“外来語言い換え案の最終案”62語が発表されています。
その中で・・「バリアフリー→障壁なし」となっています。

興味のある方は国立国語研究所「外来語委員会」のサイトをご覧下さい。
議論の経緯も紹介されていてなかなかおもしろいですよ。
こちらから意見を述べることもできます。

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