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ときどきコラム

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2006年10月27日

間違いを犯しかけて

 

浴槽縁のまたぎ高さは360o深さは600oのいわゆる和式浴槽(壁面タイルは古い規格の110o角)。

つまり、洗い場と浴槽の底の段差は240oです。

10月27日(金)

写真の浴室のお宅に住宅改修の現地調査に出向きました。同行は地域包括支援センターのケアマネ、看護師さん。

独居の92歳女性。身長約140p。特に重い疾病はなく、“虚弱”状態で要支援1。

ホームヘルパーを利用することもなく、サービス利用(?)は買い物がたいへんなので食材配達業者から購入しているくらい。「近所の人が助けてくれるので」と緊急通報装置利用も拒んでいる。

ご本人の訴えを聞きながら、玄関の上框やトイレなどの手すりや段差解消を計画しました。

そして左写真・浴室の“浴槽の出入り”について検討したのですが・・・

現在は浴槽の縁をつかんでまたいでいるが、「だんだんたいへんになってきた」との訴え。

まだ杖もつかず歩行できるので、「座位からの出入り」も今のところ不適と判断。

私の提案は「壁面の混合水栓上部(窓の下)に横手すりを取付け、浴槽内すのこを踏み台に利用する(高さ250o程度を置けば洗い場との段差がなくなり、またぎ動作が楽になるはず)」でした。そしてご本人もケアマネさんも了解し、見積もることになりました。

しかし、その夜、見積作業しながら私は反省しました。

現調時、私は「自分は福祉用具販売指定業者じゃない」との思いにとらわれていたようです。ご本人の身体状況と動作から判断すれば、壁面の手すりよりも“浴槽手すり”(縁にはさむ福祉用具)が適しているはずです。まったくバカな判断をしたものです。

翌28日(土)

改修計画図と見積書をご本人に届け、カタログをお見せしながら入浴方法を改めて説明しました。

「浴槽内すのこと浴槽手すりを利用するのが良いでしょう。“福祉用具購入費”の支給を受けることもできます。」ご本人は納得してくださいました。私からケアマネさんに連絡し、用具業者にサンプルを持参して使用説明してもらうことを依頼しました。

わずかでも自分の売り上げ額を上げようとしたことを恥じます。考え直す時間が与えられ、反省できて感謝です。用具をうまく利用して入浴が安全にできますように。

 佐久間で講師を務めました

浜松市(旧佐久間町) 佐久間ダム

堰堤を渡る(写真左側)ともう愛知県。

年間発生電力量日本一の水力発電や治水に用いられています。

 

10月26日(木)

浜松市佐久間でホームヘルパー2級養成研修の講師を務めました。

市の中心から約65q、すぐ西は愛知県、北へ向かえば長野県です。

科目は「住宅と福祉用具」

どちらも在宅での生活環境を整える手段。

カリキュラムでは2コマ・四時間ですが、続けて同じ講師による講義がふさわしいと思います。

主催者にとっては交通費が一回分で済みますしね(^^;)

市の「高齢者住宅改造費助成制度」の限度額が一般地は75万円ですが、この佐久間や水窪、春野、龍山、旧天竜市の一部等では100万円です。

山村振興法による「振興山村」地域のため。

左の佐久間ダムは、

私が転職前まで勤務していた建設会社の施工です。

昭和31年完成、私の生まれる前年です。

入社した頃はこのダム建設に携わっていた技術者がまだ現役で、現場宿舎で苦労話を良く聞いたものです。殉職者何と96名!言葉にできぬほどの過酷な工事だった、と・・・

この後、この会社は黒部第四ダムなど日本中の大ダム建設を手がけました。

今の私はこんな大建設工事にはまったく無関係ですが、心のどこかでまだ誇らしげな気持ちがほんのわずか残っていることが不思議です。

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