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ときどきコラム

138

2007年4月22

 

桜の樹皮に感じて 

先週、施工にうかがったお宅の庭で散りきった桜の木肌を見て、秋田・角館の樺細工(かばざいく=さくらの皮細工)を思い出しました。

数年前から研修講師で秋田に呼ばれていますが、最初の年の帰路、「もう呼ばれることはないだろうなあ」と思いつつ武家屋敷で有名な角館に立ち寄りました。

佐竹藩下級武士の手内職として発達したとのこと。

由来どおり、質素だがさすがに手の込んだ丁寧な仕事の伝承に感心しました。

写真のデータで確認すると2004年6月5日の撮影でした。

これは公開されている武家屋敷の内部。

なんと現役の住居で、ご家族が案内してくださいます。

現在、日本では住宅の平均寿命は三十数年。

まさしく「scrap & build」喜ぶのは建築業者だけです。

気候風土に適した住宅を建て、手入れしながら大事に住めば数百年はもつのです。しかし、「核家族でこどもが独立したら、後は住む人もない。一代限り住めればよい」・・・住宅問題は家族問題です。

角館で購入したペン皿。

数千円ですが、私のデスク廻りでいちばん高価な品でしょうか。ささやかな贅沢ですが、せわしい仕事中に目をやれば穏やかな気持ちになれます。

秋田市在住の旧友に「樺細工の茶筒って良いよね〜」と言ったら送ってくれました。物欲しそうに聞こえたんかなあ。物欲しそうに言ったけど(^_^;)

内側まで桜の皮だけでつくられています。しかし蓋は吸い付くように密閉でき、時間を経ても歪み・ゆがみがでないことに驚かされます。

茶箕(ちゃみ。茶葉をすくうさじ)は私が買いました。数百円也。

 

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