昨朝(1月9日)のことです。
仕事部屋で使っている扇風機型のハロゲンヒーター(いつもしびれている麻痺側を温める為にからだの左側に置いています)にスイッチを入れ、パソコンに向かっていました。
5分ほどすると、ヒーター内蔵部(写真では右側)から煙がもうもうと上がっているではありませんか!
すぐにスイッチを切り、プラグをコンセントから抜きました。気がつくと、ビニールかプラスチックが焦げるひどい臭いが立ちこめていました。窓を開け換気してもこの臭いは一日中消えず、消臭剤の使用などで、今ようやく気にならぬほどになっています。このガスを吸ったためと思われますが、半日は頭痛がしました。
このヒーターは、私が個人開業した2002年の12月に購入したものです。
丸5年間使用しましたから、保証期間の1年ははるかに過ぎています。
あなたならこんな時にどのように対処しますか?
私がとっさに思ったのは、
「保証期間が過ぎているから仕方ない。修理も無理だろうから買い換えるしかないか」でした。
この時、自分自身の立場を重ねて考えていました。
私が施工者として、
例えばウオシュレットを設置した場合、
故障について連絡を受けたとしたら、
使い方の間違いでなければ、
メーカーのサービス担当部署に連絡するしかないのです。
保証期間をとうに過ぎ、部品保管期間を過ぎているなら、
買い換えを勧めるしかないのです。
しかし、今回はただの故障ではありません。
気付くのが遅ければさらに加熱→発火→火災に至った可能性は十分あります。
PL法という消費者の味方もあります。
PL法(製造物責任法)とは・・内閣府ホームページより |
製品の欠陥によって生命,身体又は財産に損害を被ったことを証明した場合に,被害者は製造会社などに対して損害賠償を求めることができる法律です。本法は円滑かつ適切な被害救済に役立つ法律です。
具体的には,製造業者等が,自ら製造,加工,輸入又は一定の表示をし,引き渡した製造物の欠陥により他人の生命,身体又は財産を侵害したときは,過失の有無にかかわらず,これによって生じた損害を賠償する責任があることを定めています。また製造業者等の免責事由や期間の制限についても定めています。
製造業者,消費者がお互い自己責任の考え方も踏まえながら,製品の安全確保に向けて一層の努力を払い,安全で安心できる消費生活を実現しましょう。 |
以下、実際に私が取った行動、その後の経過です。
1.取扱説明書+保証書を取り出し、
(こういう文書は、いつでも取り出せるようにしっかり保管しておくべきです。自分自身がサービスを提供する側なので、強く言いたいことです)
2.煙に気付いた5分後には、発売元に電話連絡。
購入したのが電気店でなく、ショッピングセンターの家電売り場だったので。この店に連絡しても取り次ぎに時間がかかるだけで意味ないと判断しました。(PL法に係る事故であれば販売店にも責任が及びます。)
このヒーターは中国製。国内の輸入販売業者が中国メーカーに製造させ、自社ブランドで発売している製品です。
3.発売元・顧客相談係の回答。
「寒い季節なので、すぐ代替え品をすぐ送ります。同じ品はもうないので現在発売している製品ですが、ご満足いただけるかどうか。故障品は着払いで送って下さい。」
4.本日(1月10日)代替え品「遠赤外線○△ヒーター(仮名)」なる製品が届きました。
届いてから数時間使用していますが、使用感はすこぶるgoodです。
昔ながらの電気ストーブと同様の形状ですが、発熱部は炭素繊維。「遠赤外線を豊富に発生させる特殊なカーボンヒーター」とのうたい文句です。
故障したハロゲンヒーターより消費電力は小さく、体感温度はより温かい。タイマーや安全装置・首振り機構・リモコンなど、機能は充実。
「そろそろ寿命で買い換えて当然と思われるものが、ただで新品が手に入った!」と思えば、「めでたしめでたし(^o^)」です。
発売元はといえば、事故に至らず表沙汰にならず、新品を送りつけただけで問題解決。こちらも「めでたしめでたし(^o^)」
しかし、果たしてそれでよいものでしょうか?
もし、からだが不自由で独居のひとが使っていたら?
親が出かけて子どもが留守番に使っていたら?
Googleで「ハロゲンヒーターで煙が出た」「電気製品から出火」
を検索すると、
「ショック!すぐ買い換えた」「電器屋に持ち込まなきゃ!」
なんてブログ記事がヒットしました。
「事故につながる製品があることは公にすべきである」
と考え、市の『くらしのセンター』(旧消費生活センター)へ電話しました。
「メーカーに連絡したら、新品を送ってくれました」と説明すると、・・・
→「そうですか」と素っ気ない返事。
→くらしのセンターとは相談機関、事故や業者とのトラブルに至っていなければ関与しないらしい。
検索でヒットした神戸市消防局のサイトでは次のような記事が。
「出火にまで至らず、発煙だけで済んだような事例もあると思います。
しかし、発煙だけでも必ず消防にご一報下さい。それも今後の火災予防のための貴重な資料となるのです。
電気製品は、日頃のお手入れや点検にもよりますが、古くなればなるほど故障する可能性が高くなりますし、出火することがあるかも知れません。
しかし、古いものだからといって出火してもいいという理屈は消防の立場から認めることはできませんし、メーカーが道義的責任を免れるものでもありません。
古くなっても、「安全に故障」するような製品を作るのがメーカーの責務であると思います。」
・・というわけで、市の消防本部に電話したら・・・
→「何かが焦げたとか燃え移ったとかとかでなければ、特に情報は結構です」、とこちらも至極あっさりした対応。
・・・どうにも腑に落ちず、さらにサイトを検索すると、
先ほど「電気ストーブのリコール情報」なる記事のサイトを先ほど発見。
明日、この 独立行政法人製品評価技術基盤機構
に電話連絡してみます。
今回の事故で得た教訓
1.説明書・保証書は必ず保管し、いつでも取り出せるようにしておく。
2.保証期間が過ぎていても、事故が発生したら、あるいは事故につながるような故障はメーカーか販売店に連絡する。
3.メーカー・販売店の対応が不適切と感じたら、自治体の「くらしのセンター(消費生活センター)に相談する。
4.公的機関に連絡する。
もちろん、他の事故を未然に防ぐためです。
連絡先は独立行政法人製品評価技術基盤機構が適切なようです。
5.ゆすり・たかりはしない
「おらおら、どないしてくれるんじゃ!頭が痛いやんけ!慰謝料出せ!」
「壁紙が焦げたど!弁償せい」「役所にたれ込むど!」
などと言うてはいけません。犯罪です。
それにだいいち、いくらお金に困っていても、
草々兄さんに怒られてしまいます! |