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ときどきコラム

189

2009年4月13日

 

飼われているのか野良か

「どっちでも同じ、何とでも生きていけるさ」と、言ってます

でも、人は住むところがないと生きてゆけません


 

介護福祉士養成専門学校で

伝えたいこと-1

 今年度も専門学校で「家政学実習V(住居)」の授業を担当します。平成25年度からは国家試験合格が必須ですが、現制度では卒業しさえすれば介護福祉士になれます。非常勤とはいえ講師という責任の重さを思います。

 わずか8コマですが、私の担当時間で伝えたい、ともに学ぶべき内容を整理しておきます。既製の「家政学概論」テキストの内容に過不足があるのでは、と考えるためです。

1.なぜ住居について学ぶか〜「居住福祉」の概念〜

 安心できる「居住」は生存・生活・福祉の基礎であり、基本的人権です。
私たちの住む住居・居住地、地域、都市、農山漁村、国土などの
居住環境そのものが、人々の安全で安心して生き、暮らす基盤に他なりません。

無届け有料老人ホームやホームレスのこと。

もちろん?テキストには言及されていません。

しかし介護を職としていく以上、知らずにいて欲しくない現実です。

最近のニュースをテキストとして学びたい。

 

2.住居の役割と機能

 テキストでは「現在のほとんどの家族は、夫婦と子どもの核家族であるが・・」と、いささか乱暴なくくりをしています。しかし、わが国の核家族率は1975年の64%を頂点として減少し、直近の2005年の国勢調査では57.9%。

昨年度の本校2年生を調査したところ、核家族率は52.8%でした。

また、テキストでは「かつては複合家族で・・・(中略)世代間伝承が行われた。複合家族は非常に少なくなっている。」とあります。昨年の本校2年生では約半数の47.2%でした。

数字上は「核家族化も複合家族の減少も、さほどではない」と言うべきでしょう。

しかし、テキストの「核家族化の傾向が強く、家の文化継承は弱められる」などの文言は、残念ながら否定しがたい現実だと感じます。

高齢者(祖父母)と同居していても、存在が尊重されているか。

むしろ、祖父母は同居しているがために疎外感をいだいているのではないか。

このような家庭内の人間関係や交流に、住環境がどのような役割を担っているか。

学生諸君の家庭環境をリサーチしながら「住居の役割の重要性と、介護福祉士がどのように関わることができるのか」を、ともに考えてゆきます。

 

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