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ときどきコラム

199

2009年10月28日

2009.10.27 7:56

この秋、富士山の初冠雪は10月7日と発表されました。以来、100q以上離れたここ浜松の西村事務所から初めて肉眼で確認できた富士山です。3階の窓から、かろうじて年に数日だけ眺めることができます。

2009.10.28

この記事はいささか旧聞で申し訳ない、つい先日某資格試験を受検、コノ結果ハ後日報告イタシマス・・

10月に入ってから試験勉強をまじめに?したので、久し振りの更新です。


経済産業省のアホウな回答に絶句。

消費者をバカにしてる。

0.4mm径シャープペン替芯の規格について


西村使用の筆記具たち

下敷き・・・A4サイズ。コクヨ製カッティングマットの滑り止め効果が、片手麻痺者には下敷きとしては最適。1mm目盛りも重宝。廃番らしく現在のカタログには見あたらず。

同じく、文鎮たちも片手麻痺者に必需品。

ペントレー・・・秋田出張の際に角館で購入した、当地伝統の樺細工。桜の樹皮だけで作られています。

ペンの、下から三番目がシャープペン

「ぺんてる・グラフギア500」

その右側が替芯「三菱鉛筆・ユニ0.4-202ND」

chapter1

本年8月初旬、芯径0.4mmシャープペン「ぺんてる・グラフギア500」の芯が出てこなくなりました。500円の品ですが、適度な重さとバランスが使いやすく、私は同品を3本所持し胸ポケットやバッグ、筆入れに常備しています。

ちなみに・・私はシャープペンを「0.4mmの2B」しか使っていません。もっぱら縮尺1/30から1/60の図を描き、筆圧が強い私には、0.5では太すぎ、0.3では細すぎてポキポキ折れてしまいます。0.5に比べ直径で80%、断面積64%の0.4mmが、私には最適なのです。また、HBやBでは固く、トレーシング紙への乗りを悪く感じ、2Bを使っています。

小学校高学年の頃からずっとシャープペンを使っていますから、芯が詰まったときの対処法はわかっています。付属品の針で軸を掃除すれば解決するはずでした。ところが、今回はいくら掃除しても、芯が出てこないのです。

廉価とはいえ、廃棄するのはもったいないから修理しよう・・・私の行動規範の第一は『もったいないことはしない』です・・・「落とした時に軸が変形したのだろう」と考え、ぺんてる社のお客様相談室に連絡の上、現品を同社に郵送しました。

chapter2

ところが、同社品質保証部から送付された調査結果を読み、驚きました。

抜粋「・・・シャープ構造に以上は認められません。弊社替芯を入れたところ正常に芯が出ます。結論・・今回の不具合は、替芯の外径が太く、その為、芯を送り出すチャック部品が正常に作動しなくなった不具合です。

今年の4月、文具店で目についた替芯「三菱鉛筆・ユニ0.4-202ND」を購入していました。ペン内残り芯が少なくなって補充し、いつの間にか、もともと入れていた芯からこの「ユニ0.4-202ND」に入れ替わっていたわけです。

芯の太さがメーカーによって違う?そんなそんなカバな!

・・・というわけで、こんどは三菱鉛筆お客様相談室へ経緯を伝えし、同社へ替芯と念のためペンを郵送。

chapter3

三菱鉛筆品質保証部から便箋3枚にわたる報告書が届きました。

以下、概略

○シャープペンの替芯にはJIS・ISO規格があるが、0.3,0.5,0.7,0.9と0.2刻みである。0.4は各社が独自に決めたもの。

(0.4には公的規格がない?!)

○今回、各社シャープペンのチャック可能芯径を調査。

(数点のペンについての試験結果が記載されていました。結論のみ記します。)

「ぺんてる・グラフギア500」はばらつきが大きい。

西村使用品(数年前に購入)はチャック可能芯径が0.48mm。

同品・現在販売品での調査では、最小値0.49o、最大値0.53mm、平均値0.51mm。

○定期的に各社替芯の芯径を調査測定し、互換性を確認している。

2008年購入品の、0.4mm−2B最大芯径ロット

平均
標準偏差

太めの替芯による

繰り出し性試験

     
三菱、他社

ぺんてる

(西村使用品)

0.476
0.0028
×、×
パイロット
0.474
0.0029
○、○
三菱
0.478
0.0029
○、○

○今回、西村のペンに入っていた芯は0.484mmだが、これは三菱社の規格範囲内。

(ペンが0.480mmだから入らないわけです(>_<))

○結論

シャープペン「ぺんてる・グラフギア500」はチャック可能芯径の上限値が低い。

替芯「三菱鉛筆・ユニ0.4-202ND」の太めの製品(社内規格範囲内)では互換性がなかった。

つまり、公的規格がないため、各社の規格の範囲にずれが生じて、替芯が使えなかった。

chapter4

さて、西村はこの後どうしたでしょうか?

皆さまの推測の通りですが・・・

「公的規格を作るべきだ」と考え、以下の行動に出ました。芯が出えへんからね。

市のくらしのセンター(旧消費生活センター)へ連絡してもらちがあかないことは経験済み。

ときどきコラム154参照。

「JISを管轄している経済産業省に申し立てるべきだろう」

9月25日 中部経済産業局消費者相談室へ電話。

西村:経緯を説明の上、「0.4mmのシャープペンは特殊ではなく、スーパーマーケットやホームセンターでも売られている。実際に不具合が起きている。0.4mmシャープペンと替芯に、JIS規格を作ってもらいたい。」と申し立て。

同日中に回答あり:「0.4mmのJIS規格は作らない。0.3や0.5の規格はある。消費者が混乱する」

担当者が直接答えたわけではなく、相談室の係(女性)が「そう言っておられます」と、なぜか組織内の人間の言を敬語で(名古屋弁らしい。敬語なら「おっしゃっています」というべき)。よほど担当官は威張っているのか。

しかしどういう意味か。

店頭に0.3,0.4,0.5mmの品が並んでいると消費者が混乱すると思っているらしい。

消費者をバカにするなよ。

10月1日 消費者庁情報ダイヤルへ電話。

経緯を説明。

回答:「貴重な意見をありがとうございました。追って連絡するかもしれません。」

あまり期待せずに待ちます。

私が生きているうちにはもう連絡ないでしょう。

 

最後に

私のように0.4mmシャープペンが使えなくなって、あきらめた方もいるでしょう。

だって、だれでも買える製品ですよ。

日本工業標準調査会に連絡すべきだったかなあ。

 

JIS規格ができないなら、業界で統一ルールができないものでしょうか。

役所が何もしてくれなくても、消費者に不都合がなければ良いのです。

頼みますよホンマに。

この記事を掲載したことを、ぺんてるさんと三菱鉛筆さんへは連絡します。

 

 

 

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