ホームページへ戻る

「ときどきコラム」トップに戻る

ときどきコラム

97
2005年11月26日

2005.11.25

ろくなニュースのないきょうこの頃です。

【構造計算書偽造事件】

「建設会社からリベートを要求された・・・」

【浜松のレストラン店主殺人事件】

うちの町内、長女と同級生のお宅・・・

【広島で小学生殺害事件】

またか・・・

こんな出来事ばかりでホームページの更新の気力がわきません・・・

しかし、主なる神はこんな時にもあなたの、私のそばに臨在し、何かを語りかけようと

しているはずです。

「気力を失うな」

「あなたは何のために生きているのか」

きょうは工事の立ち会いで一日中外出していました。

こんな日は体はしんどいし、寒くなってきて左肩は痛むし・・でしたが、

その工事からの帰路に、あんまり夕焼けが美しいので、天竜川が太平洋に注ぐあたり竜洋海浜公園付近に立ち寄り。

16:30〜16:40間に撮影。10分後には真っ暗になりました。

連載を開始したばかりの

「図面の読み方、描き方講座」の続きもちょっとお待ち下さいませね。

何とか週刊くらいにする予定です。

反響もなく自己満足の様相を呈しておりますが、あと数回は続けます。

 

「住宅改修費の支給(介護保険自体が?)は甘やかし」という意見について

〜介護保険の意義について考える〜

2005.11.26

 きょうは、先週アップした「図面の読み方、描き方」の続きを書くつもりでいたのですが、標記のコメントが妙に心に引っ掛かっているので、ここでまとめておきます。

介護保険自体の意義についておさらいしておく必要もあるようです。

「何を今さら」といわれそうですが、自分の考えを整理しておくためにも。

 このコメントについては掲示板でも触れました。

11月18日浜松での「住宅改修研修会」後の、受講者アンケートに記載されていたものです。

全文を、だれに断るでもなく勝手に転載します。無記名アンケートですのでだれの意見なのかわからないので本人(A氏とします)に断りようがないし、主催者にも無断です、失礼。

A氏のコメント

「益々、少子化する事が確実で財政負担を誰がするのか。厚生労働省も介護保険を鳴り物入りでPRしたので後に引けないだろうが、10%だけで90%の国民負担は後の世代に気の毒である。

50%にすべき。

介護保険を有効に活用する事も大切かもしれないが、誰が払うのかと思う。人生誰も年を取るし老後の為にと蓄えもした。保険を使いすぎ、財政はどうなの。金を出し過ぎ−甘やかしすぎである。甘えが過払いとなっている。」

 この研修会は本来介護支援専門員対象なのですが、浜松会場では福祉用具貸与事業者や建築士も受講しました。推察ですが、A氏は直接の介護保険関連業務従事者ではないでしょう。

建築士のように思えます。

 現代の風潮である自助努力や自己責任の考えが強い方なのでしょう。

もしケアマネや関連従事者なら、自分の仕事の意義を否定しつつ、ただ報酬を得るために働いているのでしょうか?それとも、必要悪だと思いつつ働いているのかも。

 

介護保険制度導入の最大の目的:「介護支援専門員標準テキスト」による

 介護を必要とする状態になっても自立した生活を送り、人生の最期まで人間の尊厳を全うできるような、社会的支援の仕組みを確立する」こと。

 介護保険の給付金は全額が保険料ではありません。50%は公費税金)です。

保険なら「加入者同士の助け合い」ですが、介護保険は半分は福祉制度のようなものです。

「金の出し過ぎ」という指摘は耳の痛い意見でもあります。

 介護保険が保険でなければ、財源は税金のみとなります。

保険料の減免制度はありますが、低所得者も負担しています。

特に住宅改修については、償還払いのために一旦全額支払いができず、また一割負担ができないため躊躇している人もいます。(一部の自治体では給付券制度としており、特に低所得者には喜ばれているようです。)

 また、だれにでも無審査で垂れ流しのごとく支給されているわけではありません。

要支援か要介護の認定を受けた人が、さらに住宅改修については「必要と認められる理由」に該当する工事にのみ支給されるのです。

 しかし、住宅改修をしないことによって自立できたはずの動作が妨げられたり、介護者の負担が改善されずますます重くなってしまうことなど、たくさんあるはずです。

 私は介護保険開始時、デーサービスやホームヘルプサービスなどと同様に居宅サービスのひとつとして福祉用具貸与や住宅改修も加えられたことを知り、住環境整備の意義が認められたことを喜んだものです。 

 「甘やかし過ぎ」という意見に賛同はできません。しかし、無駄な工事やサービスが提供されているとすると、被保険者にも提供した業者にとっても甘やかし過ぎといわれても致し方ありません。

 今後、介護保険制度の見直しで支給率が検討されるかもしれません。

今我々がすべきことは、やはり介護保険を、住宅改修費を「有効に活用する」ことでしょう。

 平成15年度の介護保険支給額は5.0兆円、うち住宅改修費は410億円(0.8%)です。工事件数は446,700件ですから一件あたりの支給額は9.2万円。この金額を無駄にしないように、有意義な工事ができるように努めていきます。

 「住宅改修費の支給(介護保険自体が?)は甘やかし」

読んだときはちょっとムッとしましたが、自分の仕事への取り組み方を見直してみる良い機会になりました。