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ときどきコラム

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2007年1月29日

最大の失敗でした・・・「苦渋の選択」その後

昨年このコラムで紹介した「苦渋の選択」家屋への出入り方法の事例です。造ったスロープが実用に耐えず、造り直しました。造り直した費用は私(西村)が負担しました。こんな恥ずかしい記事は初めて、開業以来最大の失敗事例です。悪しき例として、教訓としてくだされば幸いです。

2006年10月の完成写真。勾配は1/4.8

腰の悪い介護者・奥さん一人で昇降不可能なことはわかっていました。

「送迎の職員が手伝えば」「電動車いすの駆動力を補助的に使えば」

いくつかの案を提示した上での結論でしたが、こんな考えをした私が悪い。くそったれ野郎です。

2006年12月

被保険者ご本人が退院し、介護保険支給申請手続き終えてからのことでした。連絡をもらいました。

「デイケアの送迎職員が介助してスロープを降りていたら、ズルズル滑って転倒しそうになった」

介助方法がどうのこうの、私が言っても詮無いことです。だれが介助しても事故が起こらぬように・・・造るべきでした。

この月の中旬、一旦退院したご本人が、今度は脳梗塞を発症し再入院に。この入院期間中にステージとスロープを造り替えることになりました。

2007年1月

〔写真・上〕

造った職人・大工にとってもつらい作業です。写真は解体したところ

〔写真・下〕

この高さにステージを造る=この玄関ポーチのタイル上段を拡幅してステージを造ることとしました。

2007年1月

造り替えたスロープ+ステージ。勾配≒1/11

これなら奥さん一人で介助できます。自動車も何とか2台駐車可能。

前提条件の一つであった「奥さんの介助で上框段差昇降を折りたたみ式スロープでは無理。スロープの設置・折りたたみも奥さんではできない」が・・・やってみたらできた!なんのこっちゃ、でした。

私はヘルパー養成講座などで、次のように話しています。

「計画立案し提示された住宅改修について、『それでよし』と本人・家族が了解したら、使い勝手についての責任は本人・家族にある」

それでも、手すり位置の付け替え程度のことなら、「道義上の責任でその位置を勧めた自分が直しても良い」と考えていました。実際にそんな事例はありませんが。

しかし今回、「スロープが使えない」と連絡をもらったとき、「私の責任でない」とは言えませんでした。どう対処すべきか?直す費用はだれが負担するか?悩みました。でも数十分で私は結論を出しました。

いくつかの提案の内からご家族が選択した方法とはいえ、「それでは使えません」と施工を拒否すべきでした。

いえ、それ以前に、そんな方法を提案すべきではありませんでした。

工事そのものが悪い事例、経過も悪い事例です。施工業者・提案者がすべての責任を負えば良い、というものではありません。

あなたはどう思いますか?

 

 

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