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ときどきコラム

96
2005年11月21日

 

 

アクトシティー浜松 11月18日(金)

浜松駅前に墓標のごとくそびえるアクトタワー浜松。

建物の背も高いが利用料も高い。

下左の写真は当事務所兼自宅から撮影。

この一角の研修交流室にて「住宅改修研修会」の講師を務めました。

10時から16時まで受講した皆様、お疲れ様でした。

 

 

構造設計書偽造事件について 11月21日

 「クルマを違法改造して、自分の民間車検場で車検を通した。

そのクルマを高く売って金儲けした」

と同じ、わかりやすい事件です。

そんなに金が欲しいの?

 私も一級建築士のはしくれですが、

現在は建築士法で規定される「建築士事務所登録」をしていません。

ですから、この事件発覚後、コメントするにふさわしい「建築士としての仕事」をしておらず、

発言すべきではない、と思っていました。

 ところが、社会的に大きな波紋を呼びニュースのトップに採り上げられているのを見るにつけ、

発言せずにはいられなくなりました。

 テレビのニュースで、幾人かの建築士会や構造計算関係者のインタビューを見ると、

同じような表情をしているのに気づきませんか?

皆同様に、うっすら笑みを浮かべているのです。

インタビューのどこかで、笑いをこらえているような表情になっていました。

 こんな、人命に関わる大問題なのに!

でも、その表情の意味はわかります。

普通に、まっとうな仕事をしている人にとっては、「信じられない」事件なのです。

「絶対いつかはばれる。二度と仕事ができなくなる」

ようなデータ捏造をだれがするもんですか!

 もう名前も公表されていますが、

姉歯さん(建築士の資格は剥奪されていますので、さん、とします)

は私と同じ48歳です。もちろん、面識も接点もありませんよ。

彼の事務所がテレビに映っていましたが、

とても、あくどい商売をして大金を儲けていたようには見えません。

とても質素な小住宅です。

 インタビューを見る限り、姉歯さんはちょっと普通の精神状態ではなさそうです。

「彼はかわいそうだ、彼こそ被害者だ」とは申しませんが、

誰かがどこかで金儲けして、ベンツかジャガーにでも乗っているんでしょう。

(これは私のひどい偏見ですね)

姉歯さんは、「工事のコストダウンと設計の時間短縮を頼まれて構造設計をする内に、

便利に使われて、どんどんエスカレートしていった」

という構図でしょうか。

いつの間にか「もうばれてもいいや」から「ばれたほうがいいかも」というような

心境だったかもしれません。

NHKが入手したというマンションの設計図の、柱や梁の断面と鉄筋量を見ると、

建築士ならだれでもわかるような貧弱さです。

 「何でこれで建築確認が通るの?」

まともな建築関係者なら皆感じているはずです。

 「施主が自分で選んだ民間機関に建築確認をさせる」

こんなシステムを作って、何のチェックもしていなかったなら、

責任は国にあります。

 しかし、構造の不適格な建物の補強や立て直しを国が面倒見るとしたら、

つまり税金を投入するということ?

 責任者出てこい!

 「クルマを違法改造して、自分の民間車検場で車検を通した。

そのクルマを高く売って金儲けした」

 

 規制緩和=民間委託=小さな政府=国の責任放棄、なのでしょうか?

この政策で選挙に大勝するかなあ・・・・・・