《家族構成》ご主人との二人世帯 |
本人:Bさん(75歳女性)
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胸髄損傷(T11完全損傷)。身障手帳:両下肢機能障害で1級。 |
夫:78歳 |
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キーパーソン |
小売商を営んでおり、日中は長男が手伝っている。
相談を受けた当初は本人の気力が乏しく「外部からの出入りだけ考えてくれればよい」との要望。
当方から、「少しでも生活や家事への意欲を持てるような環境にしましょう」と提案。
病院リハビリ科スタッフ(OT・PT)を含めた協議の結果、以下のような改修方針を立てました。
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《日常生活動作等》 |
1.移動 |
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段差がなければ何とか車いす自操。
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屋内は敷居段差を解消。
寝室の畳は車いす対応のフローリング板張りとし、廊下にも重ね張り。
屋外出入りは介助によるものとし、寝室からの木製スロープをつくる。
踊り場を物干し場兼用とし、ご本人が洗濯物の取り込みができるように。
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2.排泄 |
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膀胱カテーテルを留置し導尿。
「便はおむつで」とのこと。移乗が困難、介護力がないのでトイレ使用はあきらめておら
れる様子。
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カテーテルなどの機材洗浄用に、汎用流し台を洗面所内に設置。
当面トイレは使用しないが、使用の可能性に配慮する。
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3. 入浴 |
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浴室が狭く、浴槽出入り困難で介助力がないため、通所(デイケア・デイサービス)での
入浴のみとする。
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今回は改修を見合わせる。入浴するためには、リフト設置と、できれば浴室を広げるこ
とも必要か。
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4.洗髪・洗面 |
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洗面所は狭く器具の配置も不適なので車いすでの使用は困難。
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隣接する物置のスペースまで広げ、入り口はドアから引き戸に改修。
手動昇降式の洗髪・洗面化粧台を設置し、車いすでも使えるように。
前述の汎用流し台と、機材保管用の棚を設置。
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5.調理 |
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台所(ダイニングキッチン)は寝室に接しているが、廊下が狭く移動困難。冷蔵庫の配
置が悪く、流し台も車いすでは使用困難。
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寝室との間仕切り壁を3尺貫通し、通路をつくる。
「使っていない」という勝手口を冷蔵庫置き場とし、車いすで使えるキッチンセットに。
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