福祉住環境コーディネート西村事務所
ときどきコラム 「住宅改造論」 介護保険で利用できる
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複 合-1
複 合-2
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寝室、居間
DK,台所 
複 合-2

下肢麻痺で退院する主婦のために

脳血管障害後遺症、車いすで退院する主婦のために


脳血管障害、車いすで退院する主婦のために

《家族構成》ご主人との二人世帯

本人:Cさん(74歳女性)

  脳出血後遺症で左上下肢機能障害。要介護度3。移動は車いす介助による。
:69歳
  キーパーソン

日中は自宅とは別の店舗で就業。

被介護者が一人きりとなるため、毎日デイサービスに通所しています。

「介護保険住宅改修費給付」と「浜松市高齢者住宅改造費助成」制度を併用。


玄関アプローチ

〔改修前〕

前面道路と玄関ポーチの高低差が1メートル以上。

「どうやって昇降するか」が最大の課題でした。

いくつかの案を検討しました。

○駐車スペースをなくしては困る

○スロープでは勾配が急すぎる

2006年度から福祉用具貸与品目となる見込みの「階段昇降用リフト」を使えれば解決したのですが。

 

〔改修後〕

ご家族から「門と塀の一部を撤去しても良い」の了承を得て計画決定。

段差解消機を使用するが、福祉用具貸与の品目では揚程最大800oまでしかないため、機械の土台をコンクリートで280oかさ上げ。

乗り込み時には貸与のスロープを使用。

 

段差解消機を上げたところ。機械から玄関まではコンクリートで通路をつくり、落下防止柵(手すり)を設置。

寝室・ダイニングルーム

〔改修前〕

ダイニングルームに隣接する和室を寝室に充てることに。

床段差が30oありますが、これを解消すると奥の和室と段差ができるため、この高さのままで板張りとすることに決定。

 

 

 

 

 

 

このダイニングルームにはサブの冷蔵庫が。(メインの大きな冷蔵庫は台所にあり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔改修後〕

施主の希望で、ダイニングルームと同じ無垢の床板を使用。

巾木は車いすガードとして高さ250oの集積材。

段差解消は木製スロープ。

寝室からダイニングルーム方向を撮影。

冷蔵庫を移設し、車いす対応の洗面化粧台を設置。

浴室と隣接した洗面脱衣室に洗面化粧台はあるが、

移動が困難、車いすでは使えないスペース・化粧台形状のため。

 

下肢麻痺で退院する主婦のために

《家族構成》ご主人との二人世帯

本人:Bさん(75歳女性)

  胸髄損傷(T11完全損傷)。身障手帳:両下肢機能障害で1級。
:78歳
  キーパーソン

小売商を営んでおり、日中は長男が手伝っている。

相談を受けた当初は本人の気力が乏しく「外部からの出入りだけ考えてくれればよい」との要望。

当方から、「少しでも生活や家事への意欲を持てるような環境にしましょう」と提案。

病院リハビリ科スタッフ(OT・PT)を含めた協議の結果、以下のような改修方針を立てました。


《日常生活動作等》
1.移動
 

段差がなければ何とか車いす自操。

屋内は敷居段差を解消。

寝室の畳は車いす対応のフローリング板張りとし、廊下にも重ね張り。

屋外出入りは介助によるものとし、寝室からの木製スロープをつくる。

踊り場を物干し場兼用とし、ご本人が洗濯物の取り込みができるように。

2.排泄



膀胱カテーテルを留置し導尿。

「便はおむつで」とのこと。移乗が困難、介護力がないのでトイレ使用はあきらめておら

れる様子。

カテーテルなどの機材洗浄用に、汎用流し台を洗面所内に設置。

当面トイレは使用しないが、使用の可能性に配慮する。

3. 入浴

 

浴室が狭く、浴槽出入り困難で介助力がないため、通所(デイケア・デイサービス)での

入浴のみとする。

今回は改修を見合わせる。入浴するためには、リフト設置と、できれば浴室を広げるこ

とも必要か。

4.洗髪・洗面
 

洗面所は狭く器具の配置も不適なので車いすでの使用は困難。

隣接する物置のスペースまで広げ、入り口はドアから引き戸に改修。

手動昇降式の洗髪・洗面化粧台を設置し、車いすでも使えるように。

前述の汎用流し台と、機材保管用の棚を設置。

 

5.調理
 

台所(ダイニングキッチン)は寝室に接しているが、廊下が狭く移動困難。冷蔵庫の配

置が悪く、流し台も車いすでは使用困難。

寝室との間仕切り壁を3尺貫通し、通路をつくる。

「使っていない」という勝手口を冷蔵庫置き場とし、車いすで使えるキッチンセットに。

 



図面はJW_CADで作図したものををHomePage用に変換したものです。
画像データなので見にくいのはご容赦くださいませ<(_ _)>
改修前

竣工図

改修前

南面。この庭が物干し場。

写真手前は玄関、奥が現在は和室の寝室で、庭からの段差は550o。

 

 

 

寝室=和室8帖。飾り気のない(?)床の間と仏壇、押入が並んでいます。右は茶の間。


洗面所の入り口はドア。廊下には敷居の段差もあり、車いすでは使用不可。

トイレ内部は広いが入り口が狭く、車いす出入りは困難です。

ダイニングキッチン。車いすでは使えそうもありません。

ダイニングキッチンの南隣、写真右側壁の向こうが寝

室です。

改修後

寝室から出入りするためのスロープ。勾配は1/12で、

介助なら昇降可ですが本人自操は困難。

踊り場には屋根を架け物干し場兼用に。

床を車いす対応フローリング板張りとした寝室。

 

床の間をクローゼットとし、タンス二本を収納。

もとの仏壇置き場を貫通させ、ダイニングへの通路に。壁を3尺撤去した代わりに、構造用合板を張って耐震補強。

 

右側の茶の間は、ご家族の希望で和室のまま。

「少しでも明るくしよう」と、襖は破れにくいアクリル板張りの障子にしました。

寝室から貫通したダイニングキッチン。

もちろん引き戸を設置。

 

勝手口に床を張って冷蔵庫置き場に。

車いすでも使える流し台を設置。混合水栓は手前で操作できます。換気扇と手元灯はリモコン操作式。

コンロは火災予防のため、IHコンロにしました。

廊下にはフローリング板を重ね張りし、敷居段差を解消。洗面所入り口は間口を広げて引き戸に。

トイレへはこの洗面所から出入りしますが、車いすでも使用可能です。



手動昇降式の洗髪・洗面化粧台。

その左には汎用流し台。カテーテルなどの機材洗浄を

想定しています。右は機材などの保管用棚を作り付け。

左に見えている洗濯機を車いすでも使いやすいタイプ

(斜めドラム式など)に替えることも考えましたが、「お金

に余裕がある時に」


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